SCIENCE

毛髪とともに半世紀以上。
アデランスは、毛髪の科学的研究や商品の品質に関わる
技術開発を推進し、
常に新しい価値創造に挑戦し続けています。

「酸化」と「糖化」への着目

数十年ぶりに旧友と再会したとき、同じ年齢でも「老けた」と感じる人と「昔と変わらない」と感じる人がいるように、同じ年月を経ているにも関わらず、そのスピードに個人差がある老化。老化について様々な観点での研究が進む今、「酸化」や「糖化」といった体内反応にも注目が集まっています。

身体の「酸化」とは、活性酸素などが細胞を変性し破壊すること。人は呼吸を通じて体内に酸素を取り込みますが、この酸素の一部がさまざまな刺激を受け、ほかの分子と結びつき、体内で「酸化」をさせやすい活性酸素などの化合物へと変化します。

「糖化」とは、身体の中でたんぱく質が余分な糖と結びついて変性、劣化してAGEs(終末糖化産物)という老化物質を生成する反応のこと。このAGEsは不可逆な反応から生まれた物質で、加齢に伴って体内に蓄積していきます。

生きている限り私たちが直面する「酸化」と「糖化」を、アデランスはヘアサイエンスの領域から見つめています。

頭皮のエイジングケア*
ダブルのアプローチ

亜鉛型αリポ酸誘導体※1
肌を健やかに保つ成分
CR2コンプレックス※2
糖化に着目した保湿成分
* 年齢に応じたケアのこと
※1 ヒスチジンジチオオクタナミド(Na/亜鉛)
※2 セロリ茎エキス、ルチン

「毛髪の構造」の研究

毛髪はその殆どがたんぱく質でできていることは、よく知られています。実際には、数千種類ものたんぱく質で構成されており、その約90%は、50種類ほどのケラチンが占めていることが最近の研究で分かってきました。

ケラチンは本来、繊維状で硬く、分解されにくいものの、カラーリングやパーマの化学処理だけでなく、日常の洗髪やブラッシングによる摩擦、ドライヤーの熱、紫外線などの影響でも傷ついてしまいます。毛髪の根元と毛先を比較すると、毛先の方が色が明るく、コシがなくなり、乾燥しているのは、たんぱく質が溶出して構造が変わってしまった証拠。
見た目や手触りを良くするためには、ダメージの原因を取り除き、補強できるヘアケアを取り入れることが重要です。

イメージ図

洗浄力の研究

頭皮は体の中で最も皮脂の分泌が多い部位です。そのため、皮脂を餌とする菌が過剰に繁殖しやすく、放っておくと炎症やにおいの原因になります。

頭皮の状態を清潔に保つためには、1日1回の洗髪で余分な皮脂や汚れを取り除くことが重要です。そして、効率良く皮脂や汚れを落とすにはシャンプーのご使用を推奨しています。しかし、洗浄成分である界面活性剤は頭皮や毛髪に吸着して残りやすく、バリア機能を保つ保湿因子を溶出させることも。また、シャンプーを泡立てる際、頭皮や毛髪同士をこすり合わせる行為が毛髪を傷つけ、さらに保湿因子を奪ってしまうこともあります。

理想的なシャンプーとは、泡立ちが早く、泡持ちがよく、泡質がきめ細やかで、泡切れが早いこと。このようなシャンプーが、頭皮と毛髪のたんぱく質を壊すことなく、汚れをしっかり落とすことができます。

〈キメが粗い泡〉
1.
キメ細かい泡は、
泡の表面積が広い
同じ体積であっても、泡のキメが細かいほど
表面積が広くなるため、汚れが吸着しやすく、
特徴成分の接触量も多くなります。
〈キメが細かい泡〉
2.
キメ細かい泡は、
泡が壊れにくい
泡の膜が密集するため、泡が壊れにくく、
クッション性が保たれるので、頭皮と髪、
髪同士の摩擦ストレスを軽減します。

香りについて

香りは、鼻の奥にある嗅覚器より大脳辺縁系の偏桃体や海馬、視床下部へ伝わり、感じることができます。

香りは、嗅覚以外の感覚(視覚、聴覚、触覚、味覚)のように理性を司る大脳新皮質を経由することなく、本能行動や感情・記憶、内分泌の調整を制御する部分に直接伝達されます。そのため香りは、近年盛んになっている嗅覚研究とともに、におい分子という化学物質の側面でも注目されつつあります。

香りを作り出す調合素材は、動植物から得られる天然香料、化学合成して得られる合成香料に大別されます。天然香料は、数十から数百もの成分が含まれ複雑ですが、優しく香るものが多く、太古から嗜好品やアロマセラピーとして日常的に用いられてきました。合成香料は、大量生産しやすく、品質が安定していることに加え、香りを長時間持続させることができるのも特徴です。

頭髪は、周囲のにおいを吸着しやすく、日中に多くの皮脂や汗を分泌します。また、頭髪は比較的鼻の近くにあることなども考慮して、天然香料と合成香料をバランスよく調合することが求められます。